過剰なまでのインターネット利用は、しばしばその危険性が危惧されてきた。特に10代の子どもたちにとっては、運動不足や、生身の人間とのコミュニケーション不足に陥ることが懸念される。
そのため、ネットは便利な一方で、悪影響も及ぼすという考えがこれまでの主流だった。
しかし、最新の研究によると、そうとも言い切れないらしい。
なんと、「ブログに書き込みをすることが、10代の若者にとっては、精神的な治療につながる」というのだ。
イスラエルにあるハイファ大学の研究者らは、10代の男女161人を対象に、ある実験を行った。
なぜ我々は"発達理論"を必要としない
被験者たちは、社会生活において、なんらかのストレスや悩みを抱えており、大半の人は、友人関係がその原因だと認めている。
研究者らは、まず、彼らを6つのグループにわけた。第1グループには、悩みや不安なことなどを、少なくとも週に一回、ブログに書き込んでもらい、コメントを受け付ける。
第2グループは、ブログに書き込む内容は同じだが、コメントは一切受け付けないようにする。
第3グループには、好きなことなど何でもよいので、少なくとも週に一回、ブログに書き込んでもらう。
コメントも受け付ける。第4グループは、第3グループと同じことをするが、コメントは受け付けない。
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第5グループは、ブログではなく、ノートに日記を書く。第6グループは、特に何もしない。
これを一定期間続けてもらい、彼らの精神状態がどれくらい良くなるかを調べたところ、最も大きな改善がみられたのは、第1グループの被験者たちだったという。
研究者の一人であるバラク教授は、「今回の結果から、少なくとも10代の若者には、ブログで自らの気持ちを打ち明けることが、精神的な治療になると考えられます」と説明している。
「興味深いことに、被験者に寄せられたコメントの内容は、そのほとんどが非常に前向きで、勇気づけられるものだったのです。
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それらは、見知らぬ第三者であるからこそ言えるものも多く、被験者たちにとっては良いアドバイスになったのです」とのこと。
たいていの人は、悩みや相談事を誰かに聞いてもらいたいもの。
しかし、それを話せるはずの友人関係が上手くいかないときは、さらにその悩みを誰かに聞いて欲しいのだ。
その方法の一つとして、第三者からの客観的な意見も聞けるブログが有効的ということのようだ。
ネットがもたらす影響は様々。「物は使いよう」ということなのである。
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